左タイトル
光触媒とは
光触媒分解
光誘起超親水化
光触媒の活用例
光触媒Q&A
光触媒による脱臭

 

光触媒とは

光触媒は、基礎研究が始まったのが1970年頃、製品に利用され始めたのは1990年代に入ってからという、非常に新しい概念です。
最近では曇らないガラスや抗菌タイル、空気清浄機などのさまざまな製品で光触媒が活用されており、今後活用の場はますます広がっていくと言われています。
光触媒とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

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触媒とは

触媒


触媒とは、「自身は反応の前後で変化しないが、反応を促進するもの」です。
たとえば、水は酸素と水素からできていますが、酸素ガスと水素ガスを単純に混ぜても水は生成しません。しかし、そこに白金(プラチナ、Pt)を入れると、室温で反応して水が生成します。これは白金が「触媒」となり、酸素ガスと水素ガスの反応が促進されたことを示しています。

 

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光合成は光触媒反応

光合成

U理科で習う、植物の「光合成」。
これは典型的な光触媒反応です。

光合成は太陽光により二酸化炭素と水が反応して、デンプン(有機物)と酸素になる反応です。ただ、二酸化炭素と水の混合気体に光をあてても、この反応は進みません。葉緑素が太陽光を吸収することにより、初めてデンプンと酸素が生まれるのです。
しかし、この反応の前後で葉緑素はまったく変化していません。葉緑素が吸収した光エネルギーを利用して反応が進むのです。
つまり、光合成においては葉緑素が「触媒」となり、デンプンと酸素を生成する反応を促進しているのです。

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酸化チタン

触媒


光触媒反応で触媒に使われるのは、「酸化チタン(TiO2)」という物質です。酸化チタンは天然のチタン鉱石からとれる、人には害のない白い粉状の物質です。安全で安価なため、塗料や紙、化粧品、歯磨き粉など、さまざまな製品に使用されています。また、白色なので、無色透明のコーティングをすることができます。光触媒加工を施した製品の見た目が変わらないのはこのためです。

酸化チタンには結晶構造の違いによって「ルチル型」「ブルッカイト型」「アナターゼ型」の3種類があります。
そして、この中のアナターゼ型のものが光触媒として使用できます

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Column : ホンダ・フジシマ効果の発見
科学の世界では、思いがけない偶然から新しい発見をする幸運をセレンディピティと呼びます。水を太陽光で分解できるという「ホンダ・フジシマ効果」も、このセレンディピティの一つでした。
1967年、当時東京大学の大学院生であった藤嶋昭氏(現東京大学特別栄誉教授・東京理科大学学長・文化功労者)は、助教授の本多健一氏(現東京大学名誉教授・日本学士院会員)のもと、感光材料の光応答について研究していました。さまざまな酸化物半導体について研究する中で、偶然にも酸化チタンという半導体の単結晶が藤嶋氏の手に入りました。
そこで藤嶋氏は水の中に酸化チタンと白金の電極を入れ、それらを接続して水銀灯の強い光を当ててみました。すると、酸化チタン電極側に酸素の泡が、白金電極側に水素の泡が発生したのです。それまでは電気を使わないと分解できないと思われていた水が、光で分解できることが発見された瞬間でした。
このときに発見された、電気を使わずに光で水を分解できる反応、つまり光の水分解反応が、現在の光触媒反応の基礎となっているのです。
ホンダ・フジシマ効果

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藤嶋昭; かこさとし; 村上武利; 中田一弥; 落合剛; 野村知生, 太陽と光しょくばいものがたり. 偕成社: 東京, 2010.
落合剛; 中田一弥; 村上武利; 藤嶋昭; 森戸祐幸, [総論]未来を拓く「光触媒」の最新技術. 工業材料 2010, 58, (8), 18-22.
Ochiai, T.; Fujishima, A., Photoelectrochemical properties of TiO2 photocatalyst and its applications for environmental purification. Journal of Photochemistry and Photobiology C: Photochemistry Reviews, in press, DOI: 10.1016/j.jphotochemrev.2012.07.001.